Q&A

Q. 「I理論」と「IK理論」という表記を見かけますが、どちらが正しいのですか?

A. IK血統研究所では、五十嵐理論を略して「I理論」と呼んでいて、「IK理論」という言葉は使っていませんでした。ただし、「チェック8項目」、「日本適性」、「成長力」といった項目は、一般に広く理解されやすいといった意図により、久米裕氏が整理・分類したもので、その中でも「日本適性」という項目は、海外と日本の馬場差により生じるスピード・スタミナ比率を考慮し、設定したものです。そうした独自性を加え、発展・確立させた功績を称え、氏の没後、正式にIK理論という呼称を用いています。

Q. 9代血統分析表上では、Hyperionの★とか、Teddyの▽のように、いつも同じマークが使われているように思いますが、馬ごとにマークは決まっているのですか?

A. クロス馬のマークは、血統表を一目でわかりやすいように付けているもので、必ず同じマークでなければならないというわけではありません。とはいえ、9代血統表の中に現れる血は、めまぐるしく移り変わるわけではないので、現在私たちが分析・検証している世代の血ならば、必然的にマークは同じであるほうが合理的です。

Q. 以前は「8代クロス」といっていたと思うのですが、いつから「9代」になったのですか、そしてその理由は?

A. もともと、五十嵐理論は1970年頃の世界の名馬を基準に構築された理論で、当時の血統構成は、土台構造となるSt.Simon-Galopin、Bay Ronald-Hampton、Bend Orといった血が比較的新しい世代に存在していたため、血の結合がほぼ8代目で完了する構造になるケースが多く、血統表を8代までしか書き込んでいなかったことから、どこからともなく「8代クロス」と呼ばれるようになったのかもしれません。しかし、五十嵐氏は、初めて一般に公表された『競馬ブック』誌上における論文、および他の研究論文においても、当初から「9代」までの検証の必要性を説いており、血統表の記入は8代まででも、クロス馬は必ず9代まで検証していました。

Q. 「クロス馬集計表」とは何ですか? クロス馬マーク付9代血統表とは違うものですか?

A. 「クロス馬集計表」とは、クロス馬すべてについて、祖父母4頭のどの世代にどれだけの数が配置されているかをわかりやすくまとめたもので、9代分析表を補完する役割を果たしています。 例えば、祖父母4頭の7〜9代目に一番数が多いのがPharosだとすると、その馬の中で土台構造を担っているのはPharosだと判断する際などに活用すると分かりやすいかもしれません。

Q. 主導勢力はシンプルなほうがよいということは、主導が2つ以上あると、3Aとか2A級の評価にはなれないということですか?

A. 必ずしもそうではありません。たとえ主導が複数存在する場合でも、それらが近い世代で相互に結合し、強固な連動体制ができていれば、連合勢力として十分に主導の役割を果たすと判断しています。代表的な例としては、Alibhai、Roman、Nearcoを主導としたナリタタイシンがあげられます。

Q. 主導勢力のクロス形態は、「系列ぐるみ」でなくとも、「単一」や「中間断絶」でも良血馬になりえますか?

A. もちろん「単一」や「中間断絶」が主導の良血馬も数多くいます。たとえ主導が系列ぐるみでなくとも、「単一」や「中間断絶」クロス内にほとんどのクロス馬が集結し、連動する構造ができあがっていれば、有効な主導勢力とみなします。例を挙げると、サイレンススズカがTurn-toの中間断絶を主導とする血統構成を持っており、かつてはトウカイテイオーがMilesianの単一クロスを主導としていました。 また、最近ではNorthern Dancer系やMr. Prospector系、そしてHaloの中間断絶内に血を集合させる形態が非常に多く見受けられます。

Q. 母方で継続するクロスも「系列ぐるみ」になるのですか。母系の系列ぐるみクロスを主導にした名馬の例はありますか?

A. IK理論では、牡馬、牝馬に関係なくクロス馬として扱いますので、系列ぐるみと判断します。ただし、クロス馬になる牝馬は、牡馬に比べて圧倒的に数が少なく、必然的に牝馬クロスだけで系列ぐるみになるケースも少なくなります。したがって、名馬の出現率は低いといわざるを得ませんが、理論上は出現しても不思議ではありません。

Q. 主導勢力になる馬の顔ぶれは時代とともに変化するものですか?

A. もちろん世代とともに変わってゆきます。例えば40年ほど前はBlandford、Gainsboroughが多く、25年ほど前からはNasrullah、Nearco、Hyperionが主流、それ以降はNorthern Dancer、Nearctic、Bold Ruler、Hail to Reasonといった馬たちが主流でしたが、現在では、Mr.Prospector、Halo、Northern Dancer系のNijinsky、Lyphard、Nureyevの主導が主流になってきました。サンデーサイレンスの系列ぐるみを主導にした馬もおり、主導の推移の速度はめまぐるしいものがあります。

Q. Nasrullahが主導になるとよくないようなコメントをよく見かけますが、Nasrullah主導の良血馬はいないのですか?

A. Nasrullah自身の血統構成は、Hyperion、Nearcoほど良質とはいえませんが、スピードを伝える血として、現代では欠くことのできない血となっています。ただし、Nasrullahのスピードをアシストする良質なスタミナの核がなければ、単なる早熟のスピードタイプで終わってしまうケースが多く見られるのも事実です。つまり、決してNasrullah主導が悪いということではなく、そのスピードを持続させる良質なスタミナの核を備えていなければならないのです。その条件を満たした良血馬には、サクラスターオー、マヤノトップガンなどがいます。

Q. サンデーサイレンス産駒では、牝馬のAlmahmoudが主導になるケースが多く見受けられましたが、主導勢力になる馬は牝馬よりも牡馬のほうがよいというようなことはありますか?

A. 主導勢力は、牝馬より牡馬のほうが圧倒的に多いのは事実ですが、例え牝馬でも、自身の血統構成がすぐれていて、他のクロス馬との連動態勢を築ける血であれば、まったく問題ありません。Almahmoudは、自身の血統構成はさほどすぐれているとは言えず、より上位を狙うのであれば、Almahmoudを主導とすることはベストではありません。しかし、時代の趨勢から、欧米の血をまとめやすいという特徴を持っており、主導としての効果・有効性はあります。

Q. クロス馬の世代が、父方と母方で2代以上離れると「世代ズレ」になって、クロス効果がないというのはなぜですか? 2代以上離れていても、クロス効果が発揮されていると判断できるケースはないのですか?

A. 五十嵐氏は当初世代ズレという考えかたをしていませんでしたが、分析の頭数が増えるにつれ、父母間で世代がズレている場合、能力判定に誤差がでやすいことに気付きました。そして、相当数の分析表を検証した結果、2世代間が開いた場合、クロス馬として扱わないほうが、実際の能力と分析表から推定される能力と一致しやすいという結論に達しました。ただし、2世代開いた場合でも、その系統が全体の中で多数派を占めている場合や、クロス馬の種類が少ない場合、その他位置関係などにより、クロス効果があると判断する場合もあります。

Q. 血の結合が「直接的」と「間接的」というのは、どういう違いがあるのですか?

A. 例えばAとBという馬がいて、両者が共通の祖先を持つ場合や、AがBの血統内に含まれる場合などは、直接結合していると表現します。AとBが共通の祖先を持たない場合でも、AB両者がCという別な馬と結合している場合、AとBはCという馬を介して間接的に結合していると表現します。やはり、直接的な結合のほうが間接的な結合よりも強固で、望ましい形態といえます。

Q. 「HyperionとMahmoudは血の相性がよい」というのは、どういう意味ですか? 他にも、相性のよい組み合わせの例は?

A. Hyperionは父に、Mahmoudは母の父にGainsboroughを共有するため、両者は非常に近い世代で強固な結合状態となり、HyperionのスタミナとMahmoudのスピードが一体となる形態ができあがります。他にも、HyperionとMenowも前者の母、後者の母の母がSeleneのため、強固な結合でスタミナとスピードが一体となる形態となります。

Q. 現在の日本の種牡馬とBMSの関係で、ニックスといえるものはありますか?

A. 日本では一般的にサクラユタカオー×BMSノーザンテースト、リアルシャダイ×BMSノーザンテーストなどは代表的なニックスの例として語られていました。しかし、IK理論から見た場合、お互いのよさを生かしきれる組み合わせとは言えません。世界的にニックスの代表例として語られる、かつてのNasrullah×Princequilloの組み合わせも同様です。理論上相性の良い組み合わせとしては、かつてはブライアンズタイム×BMSマルゼンスキー、ジェイドロバリー×BMSリアルシャダイといった組み合わせなどをお互いのよさをほぼ生かすことができるとして挙げていました。ただし、その場合でも、残り1/4の部分の傾向が合っているかどうかによって、能力に大きな差異を生じることは言うまでもないでしょう。 近年では、オルフェーヴルの活躍から、ステイゴールド×BMSメジロマックイーンの組み合わせが注目されています。両者の組み合わせは確かに傾向として合っているのですが、もちろん、その場合も、残り1/4の違い・差によって血統構成は大きく異なり、一般的な血統論評のように父とBMSまででその馬を評価することはしていません。

Q. IK理論では、近親交配と異系交配のどちらを重視するのですか?

A. どちらを重視するということはありません。とはいえ、異系交配のほうが調整や馬体の維持がしやすく、成績も安定しやすいという傾向があり、究極的には異系交配のほうが理想です。一つ付け加えると、一般的には近親交配として扱われる場合でも、5代以内のクロス馬が単一や中間断絶のみの場合は、五十嵐理論では実質異系交配として扱います。

Q. 近親交配と異系交配では、種牡馬になったとき、成功の可能性に違いがありますか?

A. 異系交配の馬は、もともと5代以内にクロス馬がいないため、ランダムに配合した場合、繁殖牝馬の影響が強くなる可能性が高く、自身の特徴を引き継ぎ、その影響を強く出すことが難しくなります。逆に近親度の強かった馬は、種牡馬となって世代が1つ後退した時にも、自身の特徴を再現しやすくなるため、種牡馬として成功する可能性も高くなります。例えば近年のリーディングサイアーランク上位を見ると、ディープインパクトはAlmahmoudの4×6、キングカメハメハはNorthern Dancerの4×4・6とNasrullahの5・7×6・7、ハーツクライはAlmahmoudの4×6、次いでHyperionの6・7×5・7・7・7といったクロスを持つ近親交配です。

Q. 5代以内に異なる種類のクロスが多いとなぜいけないのですか。競走能力にどんな影響があるのですか?

A. 5代以内に異なる種類のクロス馬が多いと、主導が不明確になり、ツメの甘さが見られたり、調子の維持が難しく、成績が不安定になるケース多く見られます。過去にはキングヘイロー、アンブラスモア、ラスカルスズカ、近年ではメイショウマンボなどが、5代以内で異なる種類のクロスを多用した成功例といえるかもしれません。しかし、これまでの歴史をみると、名馬と呼ぶにふさわしい馬の出現率は非常に低くなっています。

Q. 「日本向適性」は8項目のどれと関連が高いのですか?

A. どの項目の評価が高ければ日本適性が高くなるということはありませんが、典型的なパターンとしは、①主導がNasrullah、Almahmoudなどのスピード系で、その存在が明確であり、さらに③結合がよければ、④弱点・欠陥や⑦質・傾向の評価が低く、上質なスタミナの核を持たない場合でも、日本ではある程度上位クラスで活躍する傾向があります。

Q. 「成長力」と関連の高いのは、8項目のどの要素ですか?

A. これは主に④弱点・欠陥、⑦質・傾向、⑧スピード・スタミナの項目に関係しています。弱点・欠陥がなく、父母の傾向が合っていて、生きている血の質が高く、上質なスタミナの核を備えていれば、成長力があるという判断をします。

Q. 「日本適性」と「成長力」は、相反する要素ですか。「日本適性」が高くて、「成長力」のある馬もありえますか?

A. 上記の2問の答えを見ればおわかりでしょうが、基本的には相反する要素といえるでしょう。ただし、ケースとしては非常に少ないものの、スティンガーは、Mahmoudを主導にサンデーサイレンスのスピードを再現し、さらにBMS=Affirmedの質の高いスタミナのアシストを受けているので、「日本適性」、「成長力」ともに高い評価をしています。

Q. 「スタミナ不足」と「スピードタイプ」とは同じことですか。スタミナがあるスピードタイプという馬もいるのでしょうか?

A. まったく同じとは言えません。「スタミナ不足」と表現される場合でも、スピードの血も中途半端な場合もありますし、スピードタイプとはいっても、十分なスタミナに裏打ちされた優秀な血統構成を持つ馬もいます。その典型がビワハヤヒデ、スティンガーなどです。

Q. IK理論から見た世界の名馬ベストテンというと、どんな顔ぶれになりますか?

A. 五十嵐先生があげた歴代の古典的名馬10傑を紹介します。
 1、Ribot(1952年生、イタリア産)
 2、Sea Bird(1962年生、フランス産)
 3、Spectacular Bid(1976年生、アメリカ産)
 4、Secretariat(1970年生、アメリカ産)
 5、Kelso(1957年生、アメリカ産)
 6、Shareef Dancer(1980年生、アメリカ産)
 7、Arts and Letters(1966年生、アメリカ産)
 8、Forego(1970年生、アメリカ産)
 9、Tantieme(1947年生、フランス産)
 10、Native Dancer(1950年生、アメリカ産)

Q. 「アメリカ系の血」とか「ヨーロッパ系の血」とは、どうやって区別するのですか?

A. 「アメリカ系の血」、「ヨーロッパ系の血」という区別は、血統を説明するときの便宜上使っています。「アメリカ系の血」というのは、もともとはヨーロッパで培ってきた血がアメリカに輸出されて、アメリカで独自に発展してきた血のことで、代表的な血としてはWar Admiral-Man o’War、Black Toneyなどがあげられます。もともとはそれらもヨーロッパ系の血のため、20年ほど前までは近い世代に共通の血があり、結合力が弱くなるということはなかったのですが、最近では、Man o’WarやBlack Toneyといった血は7代、8代に位置することが多く、ヨーロッパ系の血と結合する役割を果たすBend Or、Galopinなどが10代目以降に後退し、結合が不完全になるケースが多くなっています。

Q. 《クロス★マーク》で9代血統表は作成できるようになりましたが、自分で血統評価をできるようになるためには、どういう勉強が必要ですか? 効果的な方法はありますか?

A. まず、9代分析表を見て、自分なりに血統評価を書いてみて、その後、IK血統研究所の公式評価と見比べてみるのがよいでしょう。個人差はあると思いますが、100頭ほどこの作業を繰り返せば、ある程度ご自分でも評価をくだせるようになってくると思います。

Q. 共同馬主クラブ募集馬リストに掲載されている簡易評価とは、詳細な評価とはどう違うのですか?

A. 共同馬主クラブ募集馬リストの評価は、デビュー前の各募集馬が将来どのあたりのクラスで通用しそうか、父母や兄弟の実績などから期待値が高い場合はそれに見合った血統構成かどうかなどを意識した評価になっています。もちろん、1Bの馬が勝ち上がった時点で3Bや1Aにという評価はしませんが、勝ち上がり後に公表する正式な評価と完全に一致するわけではありません。特に、世代ズレなどでクロス効果の判断が読み取りにくい、または極度の近親交配の場合など、「理論上は推奨しにくい」と評します。そうした配合馬が勝ち上がった場合、クロス効果が最低限はあった、または近親の弊害が最低限回避されたと判断する場合もあります(もちろん、それでもムラで、安定味に欠けるタイプであったり、調整が難しかったりと、募集馬リストで評した不安要素はそのまま当てはまります)。また、募集馬の発表から申し込み締め切りまでの期間が短いというタイトなスケジュールの中で評価をしていますので、時間的余裕がないことなどから、簡易評価にとどめているという面もあります。どうしても正式な評価を知りたいという場合には、簡易評価リストではなく、正式な血統評価・配合診断依頼をお申し込みされることをお勧めします。

Q. 「土台構造」とはどういう役割を果たしているのですか?

A. 「土台構造」というのは、建築物でいえば、基礎を固める土台であり、地盤がしっかりしていることが必要です。つまり、同一の血が血統全体に多数存在し(主に7〜9代目)、全体を統一する役目を果たす構造のことで、かつては、主にSt.Simon、Bay Ronaldなどがこの役割を担っていました。ただし、近年ではこれらの血が10代目以降に消え去り、土台構造が希薄になってしまうケースが多くなっています。土台構造が弱いと、反応が鈍かったり、成長力に欠けるなどのマイナス効果につながります。土台構造が希薄になった過渡期を経て、現在では、Pharos-Phalaris、Hyperion-Gainsborough、Blandfordなどが土台構造の役目を担っています。

Q. これから主導勢力として大きな役割を果たすのはどんな馬たちですか?

A. 少し前までは、主流はNasrullah-Nearco、Hyperionでしたが、現在ではBold Ruler、Nashua、Northern Dancer、Raise a Native-Native Dancerなどが系列ぐるみで主導になる配合が主流になっています。また、HaloやHail to ReasonといったHalo系、Northern Dancerの直仔のNijinsky、Nureyev、Lyphard、Danzig、またはMr.Prospector、Buckpasserの系列ぐるみなども主導として多く見受けられます。

Q. IK理論では、全兄弟(姉妹)は同じ血統構成、したがって能力も同じという判断をしていますが、これは変わることはないのですか。全兄弟(姉妹)の間の差異を見つけ出す可能性は?

A. 全兄弟を同じ血とみなし、能力も同レベルとして扱うという点は、分析表のみを頼りとして競走馬の能力を推定する五十嵐理論の限界を示す典型的な例でもあります。これは、やはり科学の分野での遺伝子研究のレベルの向上を待たなければならないかもしれません。

Q. 3A〜Cの7段階で、各評価レベルの占める比率は、どの世代も同じなのですか?

A. IK血統研究所では20年以上にわたり勝ち上がり全馬の血統評価を公開してきましたが、ほぼどの世代も同じような分布を示しています。ただし、年を重ねるにつれて、3A、2A、1Aといった高評価の馬の割合が減少し、2B、1Bクラスの馬が増えてきているのも事実です。

Q. 祖父母4頭のうち1頭だけの影響力が強く、他の3頭の影響力がほぼ均衡している型(異系交配のRibot-Sea Bird型と近親交配のSassafras型)の場合、影響力の強い1頭は、父の父、父の母、母の父、母の母の4頭のどれがなるかで違いはありますか?

A. 違いはありません。ただし、強調する箇所は4つの内でもっとも質の高いところであることが理想的です。逆に、質の低い箇所を強調してしまうと、他の血のよさを半減させてしまうことになります。

Q. 同じ馬同士のクロスと、全兄弟(姉妹)同士のクロスでは、クロス効果に違いがあるのですか?

A. IK理論では、同一馬のクロスと全兄弟同士のクロスを同一馬・同じ能力効果として扱います。五十嵐理論が世界の名馬を数多く分析して、共通の特徴を抽出してできた理論であることは、すでにご説明した通りですが、その研究を続けている中で、両者を同一馬として扱っても特に不具合はなく、むしろ、同一として扱うほうが納得できる事例が多いことから、同一の馬として扱うことにしています。

Q.IK理論は完成した理論ですか。それともこれからも発展や改良の余地があるのですか?

A. もちろん現段階でも他に類を見ないほどの精度を備えた血統理論ではありますが、完成しているとは言えません。時代とともに新しい形態の配合は登場してきますし、新たな評価基準の発見もあるかもしれません。そのため、これからも試行錯誤を繰り返しながら、改良・発展させていかなければならないと考えています。

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